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植木 太郎
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 9 Pages, 2023/10
モンテカルロ法ソルバーSolomonは、C++14標準で記述されたオブジェクト指向の中性子輸送計算コードである。Solomonは、通常の臨界安全解析機能と乱雑化媒質の臨界性評価機能で構成されており、後者に関して、不完全確率的乱雑化ワイエルシュトラス関数(IRWF)による乱雑化媒質のクラスが装備されている。このため、乱雑化媒質の臨界性揺らぎを、多数のIRWFレプリカを生成して、レプリカ毎に臨界計算を実施することにより評価できる。一方で、必要とされるIRWFレプリカ数を事前に知ることは不可能である。この問題への対処のため、Solomonに、乱雑化増幅機能を装備した。具体的には、オン-オフ型への有界増幅をIRWFレプリカに適用することにより、中性子実効増倍率の上限値推定に関して、レプリカ生成数の95%以上の削減が可能となる。また、Solomonには、ボクセル重ね合わせ機能も装備されている。この機能の有望な応用として、ステンレス鋼(SUS304)中の鉄同位体による共鳴吸収反応の評価例を示す。
植木 太郎
no journal, ,
軽水炉の炉心溶融の際に生成される二酸化ウラン・コンクリート混合物の臨界性評価に関して、ワイエルシュトラス関数に基づく確率的乱雑化モデルを構築した。独立な試行により連続変動媒質を複製し、デルタ追跡法と呼ばれるシミュレーション粒子追跡技法を用いて、モンテカルロ法臨界計算を実施した。中性子実効増倍率の評価値には、数パーセント程度の揺らぎが生じることがわかった。
植木 太郎
no journal, ,
乱雑な体系のモデリングに有用な確率的乱雑化ワイエルシュトラス関数モデルを拡張し、広範な物質混合状態に関して、臨界性評価の揺らぎ定量化を可能にした。また、拡張モデルによる解析例を、モンテカルロ計算ソルバーSolomomに実装することにより示した。
植木 太郎
no journal, ,
自然・工学現象のパワースペクトル測定においては、周波数領域変数に上下限が存在する。そこで、本予稿においては、逆冪乗則パワースペクトルの周波数領域変数の範囲を任意に設定できる機能を、確率的乱雑化ワイエルシュトラス関数に導入したことを報告する。この新機能は、ワイエルシュトラス関数のフラクタル性への収束との関係性を断ち切ることから生まれるため、不完全確率的乱雑化ワイエルシュトラス関数(IRWF: incomplete randomized Weierstrass function)と命名される。IRWFの工学的有用性を示す中性子実効増倍率の不確かさ評価例を、十分に中性子減速されている環境下での燃料デブリ体系について、報告する。